雲の形は、刻々と変わっていく。
ずっと同じ形ではない。
人も、また同じ。
時とともに、変化していく。
この世は移ろいでいる。
ひと月前は正しいことも、
今は、違うものが正しいこともある。
あの頃は、自分の中で最も親しく、
なんでも話せていた友人が、
今は、何を好んで食べるかも知らない。
世界は常に移ろいでいる。
人との関係も、
人の心、考え方も
つながり方も、
時とともに、形を変えていく。
人は、それを受け入れなくてはいけない。
受け入れ、流れに身を任せる。
築いたものが、立派で、きれいで、楽しいものだと
その幸福に、奥深く溺れてしまう。
身も心も心地よいから。
しかし、世は移ろう。
新たな時代が始まり、
新たな「社会」「関係」が生まれ、
今あるものは、変化する。
過去の栄光にしがみつかず、
この場から一歩、歩を進めてみよう。
過去は美化される。
案外、飛び出した外側は、
まだ見たことのない景色が広がっているかもしれない。
人生は旅だ。
道なりに歩みを進めてみよう。
輝かしい日々に、しがみつこうとしている私へ。
ともに世と移ろごう。
身を任せてみよう。
流れる中で、次は何に、誰に出会うのか、楽しもう。
あの消えてしまった雲の跡に、
また新しく生まれる空の景色を見よう。
それはきっと、
新たな美しい景色との出会いとなる。
しがみつこうとしている私へ。
執着を手放そう。